足りないものばかり数えない|充実した人生を過ごせる人の処世術
本質
人は手に入れたものには慣れ、まだないものばかり目につくようになる。
原理と解説
欲しかった物を手に入れた直後は嬉しかったのに、数か月もするとそれが当たり前になり、今度は別の不足が気になり始める。生活が以前より良くなっていても、慣れたものは意識から外れ、まだ持っていないものだけが目立つ。その状態が続くと、実際には多くを得ているのに「自分には足りない」という感覚ばかりが残る。満足を増やすには、新しく得ることだけでなく、すでにあるものをもう一度認識する必要がある。 一日の終わりに、健康に過ごせたこと、話せる友人がいること、落ち着ける部屋があることなど、すでに持っているものを三つ書いてみる。そのうち一つは、ただ確認するだけでなく意識して味わう。毎朝飲んでいるコーヒーなら、作業をしながら流し込まず、数分だけ香りや味に注意を向ける。慣れて見えなくなっていた幸せも、意識を戻せば「ずっとあったもの」として再び感じられる。 自分の状態を考えるときは、「次に何を手に入れれば満足できるか」だけでなく、「今あるもののうち、慣れすぎて数えなくなったものは何か」を見るとよい。欲しいものや改善したい点を持つことまでやめる必要はない。向上心を保ちながら、現在の不足と現在の充足を同時に見る。足りないものだけで現在を採点せず、すでに得たものも評価に戻すことが、満足を見失わずに前へ進む基準になる。