目上にも物怖じしない|仕事ができる人の処世術
本質
役職への敬意と、自分を下に置くことは別物である。
原理と解説
役職の高い相手を前にすると、普段なら言える意見まで引っ込めたり、事実を弱めて伝えたりしやすい。丁寧に接することと、自分の判断まで小さくすることが混ざるからである。立場への敬意は必要でも、それは自分の考えを持たないこととは違う。肩書きが上だからという理由だけで発言を控えると、必要な情報まで届かず、相手にも「この人は自分では判断しない」という印象を与えやすい。 会議で上司の案に懸念があるなら、「その案は違います」と強くぶつけるのではなく、「一点だけ気になります。前回の数字を見ると、この部分は負担が増えそうです」と敬語のまま伝える。数字や事実に誤りがあれば、「こちらは三件ではなく五件です」と普通に訂正する。相手の立場を立てながらも、内容まで曲げない。礼儀を保ったまま必要なことを言える人は、物怖じしない人として見られやすい。 判断するときは、「相手が偉いから黙るべきか」ではなく、「この情報や意見は仕事上伝える必要があるか」で考えるとよい。必要なら敬語で一つ言い、事実は肩書きに関係なくそのまま示す。ただし、ぞんざいな口調や挑発的な態度まで正当化する必要はない。物怖じしないことは、相手を軽く扱うことではなく、自分も一人の判断主体として場に残ることだ。敬意と対等さを同時に保てるかが基準になる。