完成品ではなく60点段階で一度確認する|仕事ができる人の処世術
本質
完成度が上がるほど、方向修正のコストも大きくなる。
原理と解説
資料を最後まで作り込み、自信を持って見せたところで「そもそも方向が違う」と言われると、直す範囲は大きくなる。文章、図、細部の調整まで積み上げた後では、一つの方針変更が全体のやり直しにつながりやすい。完成度を高めるほど、それまで投入した時間や労力が修正への抵抗にもなる。早い段階で方向だけ確かめておけば、大きなずれを小さいうちに見つけられる。 企画資料を作るなら、見た目まで整える前に、章立てや主要メッセージができた段階で一度見せる。「まだ途中ですが、この流れで進めてよいかだけ確認したいです」と伝えれば、相手も細部ではなく方向性を見やすい。そこで「対象を変えたい」「この論点を前に出したい」と言われても、骨組みの段階なら組み替えやすい。確認後はその方針に沿って、残りの四割を完成まで仕上げればよい。 確認の基準は、「人に見せられる完成度か」ではなく、「今なら方向を変えても大きな手戻りにならないか」で考えるとよい。骨子、構成、主要な結論が見えた六十点ほどで一度共有し、細部ではなく進む向きだけ確かめる。ただし、途中版を見せたことで仕事が終わったわけではない。確認後は修正を反映し、完成まで責任を持って仕上げる。早めの確認は未完成を許すためではなく、完成へ向かう道筋を外さないために使う。