質問には仮説を持っていく|仕事ができる人の処世術
本質
質問の質は、答えを聞く前にどこまで考えたかで決まる。
原理と解説
分からないことが出るたびに「どうすればいいですか」と聞くと、答える側は前提から整理しなければならず、質問する側も考える機会を失いやすい。反対に、自分なりの見立てを一つ持っていけば、どこまで理解できていて、何がまだ曖昧なのかがはっきりする。質問は情報を受け取るだけの行為ではなく、自分の考えを相手にぶつけて修正する場にもなる。その準備の差が、聞いた後の理解の深さまで変える。 資料の方向性で迷ったなら、「どう作ればいいですか」ではなく、「過去の資料を見るとA案が合いそうです。ただ、今回は対象が違うので、この部分だけ不安です」と聞く。自分の案、そう考えた根拠、判断できない点がそろっていれば、相手は修正すべき場所だけ答えればよい。もし仮説が外れていても、「なぜ違うのか」まで理解できるため、単に正解を教えてもらうより次の判断に使いやすい。 質問する前は、「答えを持っているか」ではなく、「今ある情報から自分なりの案を一つ作ったか」を確認するとよい。その上で、根拠と不明点をセットにして聞く。ただし、一度立てた仮説を守ることが目的ではない。新しい情報で前提が崩れたなら、すぐに修正すればいい。考えてから聞き、答えで考えを更新する。その往復が増えるほど、質問は依存ではなく、自分の判断力を高める手段になる。