分からないことは分からないと言う|仕事ができる人の処世術
本質
無知より危険なのは、分かったつもりで判断を進めることだ。
原理と解説
説明を聞いた直後、少し曖昧な部分が残っていても、その場の流れを止めたくなくて「分かりました」と答えてしまうことがある。けれど、そのまま作業や判断を進めると、認識のずれは後ろの工程ほど大きくなる。知らないこと自体は一か所で済んでも、分かったつもりで進めれば、誤った前提が複数の判断に入り込む。早い段階で不明点を切り出す方が、結果として手戻りも小さくなる。 仕事の指示を受けて、「資料の構成は分かりました。ただ、数字は最新月だけ使うのか、過去分も入れるのかが分かりません」と聞けば、相手も答えやすい。何も整理せず「全部分かりません」と投げるのではなく、自分が理解した範囲と、残っている一点を分けて伝える。先に資料や過去例を確認して、それでも判断できない箇所だけ聞けば、自分で考えた上で確認していることも伝わる。 聞くか迷ったときは、「質問すると能力が低く見えるか」ではなく、「この不明点を残したまま進めると判断を誤るか」で考えるとよい。まず自分で調べ、分かった範囲を整理し、それでも残る一点だけを聞く。何でもすぐ人に渡す必要はないが、重要な前提まで推測で埋める必要もない。理解できていない箇所を明確に止めることが、誤ったまま速く進むより安全で正確な仕事につながる。