質問と自己開示のバランスがいい|会話がうまい人の処世術
本質
質問だけでは尋問になり、自己開示だけでは独演会になる。
原理と解説
会話のたびに質問を重ねていると、相手が答える側に固定され、急に面接のような空気になることがある。逆に、自分の話を続ければ相手は聞き役に回り続ける。会話が心地よいのは、話す側と聞く側が自然に入れ替わるときだ。質問は相手への関心を示し、自己開示は自分も同じ場に参加していることを示す。どちらか一方だけでは、関係が一方向になりやすい。 相手が「最近ランニングを始めた」と話したなら、「どれくらい走るの?」と聞くだけで終えず、「自分は三日坊主で終わったことある」と短く返してから、「続いてるのすごいね、何がきっかけ?」と戻す。自分の話が少し入ることで、相手は一方的に質問されている感覚が薄れ、こちらの人柄も見える。ただし、自分の経験を長く語り始めると、相手の話題を奪ってしまう。 判断の基準は、今どちらが会話の負担を多く持っているかを見ることだ。自分が質問ばかりしているなら、答えを受けたあとに一言だけ自分の経験や感想を足す。自分が話し続けているなら、「そっちはどう?」と相手へ戻す。大事なのは、質問と自己開示を同じ量にすることではなく、話す役と聞く役を往復させることだ。その往復があるほど、会話は尋問にも独演会にもなりにくい。