相手の言葉から話題を拾う|会話がうまい人の処世術
本質
次の話題は、考え出すより相手の言葉の中から見つける。
原理と解説
「休日は何してた?」と聞いて「映画を見てた」と返されたのに、すぐ「そうなんだ。ところで仕事は忙しい?」と切り替えると、会話は質問の数だけ増えても深まらない。相手が出した言葉には、その人が話せる範囲や関心の方向がすでに含まれている。そこを通り過ぎて別の話題を探すほど、互いに毎回ゼロから会話を始めることになり、流れが途切れやすくなる。 「昨日、友達と久しぶりに横浜まで行ってきた」と言われたなら、「横浜いいね」で終わらせず、「久しぶりって、どれくらい会ってなかったの?」でも「何しに横浜へ?」でも話は続く。「友達」「久しぶり」「横浜」という相手自身が置いた言葉が、そのまま次の入口になるからだ。一つ答えが返れば、そこにまた新しい言葉が現れ、無理に話題を製造しなくても枝が自然に伸びていく。 話が止まりそうになったとき、「次は何を話そう」と頭の中で検索する癖を減らしたい。まず直前の一文を振り返り、まだ触れていない名詞や感情、理由がないかを見る。特に迷ったら、相手の最後の一語を拾って聞くだけでもいい。会話を広げるより先に、今ある話を一段だけ深くする。その判断を繰り返すと、話題が飛びにくくなり、相手にも「自分の話を受け取ってもらえている」という感覚が残る。